学校でプログラミングが必修化され、大学入試でも出題されるようになりました。
保護者の方の中には
「なんでいきなりプログラミング?」
「家庭でもパソコン用意して学習させなきゃいけないの?」
と不安になっている方も多いでしょう。
この記事を読むと
「小学校のプログラミング教育について80パーセント理解している!」
と自信を持って言えるようになります。
専門用語や難しい言葉を使わずに、優しく解説していきますので、焦らずにゆっくり読んでいってくださいね。
小学校でのプログラミング必修科の内容

まずは、2020年から実施された学校教育でのプログラミング必修科の内容についておさらいしましょう。
学校でのプログラミング必修科は以下のように定められました。
- 小学校:プログラミング教育の必修化
- 中学校:技術・家庭科で学ぶプログラミングに関する内容が倍増
- 高校:「情報I」が必修化。2024年からは大学入試でプログラミングを含む「情報」が出題
大学入試で出題されるとなると、将来エンジニアやプログラマーを目指している人でなくとも、プログラミングを含む「情報」は無視できない科目になってしまいました。
このように、一気に身近になったプログラミング学習ですが、今回は小学生の段階でのプログラミング教育について解説していきます。
小学校でプログラミングを学ぶようになった理由
小学生がプログラミングを学ぶようになった理由は、主に2つ。
- プログラミングやITに強い人材育成
- 思考力・想像力を育てる
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
プログラミングやITに強い人材育成

一つ目の要因は、現代社会においてコンピュータやインターネットが普及し、IT・プログラミングスキルが日常生活に欠かせない存在となってきたことです。
コンピュータやITに関するスキルを持っている人材が求められるようになってきており、プログラミングスキルもその中で重要なものとされています。
子ども自身にとってもプログラミングを学ぶことで、将来のIT業界や社会において重要なスキルを身につけることができるため、小学生から学ぶことで未来のキャリアアップに役立つと考えられています。
プログラミングで思考力・想像力を育てる

プログラミングを学ぶことで、思考力や創造力を養うことができます。
思考力は、人間が情報を取得し、解決する能力を指します。
思考力は様々なタイプに分類され、記憶力、分析力、推論力、評価力などがあります。
プログラミングを学ぶことで、アルゴリズムを考える力や、問題を解決するための戦略を考える力などが養われます。
創造力は、新しいアイデアを生み出す能力を指します。
創造力は、思考力に次ぐ重要な能力の一つで、プログラミングを学ぶことで、自分のアイデアをコンピュータ上で実現する力が身につきます。
小学校の授業でプログラミングはどうやって学ばれる?

結論、小学校でプログラミングが必修科するといっても、本格的にコンピュータでプログラムを組むようなことはしません。
算数や理科の授業の中でプログラミングについて触れる程度と考えて良いでしょう。
そもそも、文部科学省の新学習指導要領に実施する授業内容などは明記されていないため、何年生で何を学ぶということも学校や地域によって異なっているのが現状です。
教科書の内容を加味すると、5・6年生の算数・理科で授業にプログラミングを取り入れる学校が多いようです。
いずれにしても、小学校でコンピュータを使った複雑なプログラムミングを行うことはありません。
また、「プログラミング」として成績が出ることもないので安心してください。
小学校で実施するプログラミングの授業の例
実際にプログラミングについてどのように学習するのでしょうか?
例えば、5年生の算数の授業では、以下のようにScratchを使った多角形の作図などが行われています。
Scratchを埋め込んでみたので左上の緑色のはたを押してネコを動かしてみてください。
Scratchとは、子ども向けのプログラミングツールで、画面上のキャラクターにプログラムを使って命令を行います。
プログラミングといっても、ブロックを使ってコーディングを行うので、子どもでも楽しく取り組めそうですよね。
このように、プログラミングを用いた学習を少しずつ取り入れることで、プログラミングや論理的思考力を身近に感じることができるでしょう。
小学校のプログラミングの授業のために家庭でやるべきことは?
小学校のプログラミングの授業のためにやるべきことはあるのでしょうか?
結論、慌ててやらなければいけないことはありません。
ただし、学校の授業などで子どもがプログラミングに興味を持った場合には以下のことを提案してみましょう。
- Scratchなど無料のプログラミングツールでオリジナルのゲームやアニメーションを作成してみる
- 学校で学んだプログラミングを家庭のScratchなどで作成してみる
- 学校で学んだプログラミングについて保護者に説明する
- より本格的にプログラミングを学べるプログラミング教室に行ってみる
プログラミング教育を受けることによって、問題解決能力や創造力を高め、将来のキャリアの選択肢を広げることができることも期待されています。
小学生のうちにプログラミングに興味を持ったなら将来大きく羽ばたける大チャンスです。
ぜひ早めにプログラミングを身につけさせてあげてください。
特に、Scratchは特別な環境がなくてもパソコンとインターネットがあれば無料で利用できます。
大人がやっても楽しいものなのでぜひ一緒にトライして見ましょう!
小学校プログラミング必修科についてのまとめ
今回は小学校でのプログラミング必修科についてまとめました。
要点は以下の通りです。
- 小学校で一つの科目として学ぶことはない(他の教科の一部)
- プログラミングの成績はつかない
- 家庭学習が必ず必要になることはない
- 興味を持ったらまずはScratchなどの無料のツールを家庭で使ってみる
小学校でプログラミングが必修科になるからといって慌てる必要はありません。
むしろ、プログラミングに興味を持つきっかけが増えて、将来の選択肢が広がったり、思考力を鍛えるチャンスでしょう!
気軽に楽しく子どもとプログラミング教育を楽しみましょう!

与那嶺あきお
現役エンジニア。フリーランスのエンジニアとして数多くのシステム開発に携わる。
小学生向けプログラミング教室「IT寺子屋」の創業・運営メンバーでもあり、現在も教室で子ども達にプログラミングを教える傍ら、IT寺子屋のコンテンツの作成・監修を手がけている。
自身がプログラミングスクール選びに失敗した経験からプログラミング教育への造詣も深く、子ども向け・大人向けを問わず様々なプログラミングスクールの研究を行っている。