FXGTで取引をして利益が出た際、多くの方が「税金はかかる?」や「確定申告はどのように行えばいいの?」と疑問が出てきますよね。
海外FXで得た所得の確定申告は、多くの人が初めて経験する作業であるため、どこから手をつければいいのか迷うことがあると思います。
しかし、確定申告を怠ると追徴課税のリスクがあり、実際に支払うべき税金よりも多くの金額が課される場合があります。
この記事では、FXGTにおける確定申告の対象者、税金の種類、計算に必要な書類について分かりやすく解説しています。
さらに、節税の方法も紹介しているので、FXGTの確定申告で悩みや不安を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
久住康平
ビット学園編集長。
慶応義塾大学経済学部卒業後、大手証券会社にて13年勤務。
仮想通貨歴は8年。
ビットコインガチホ勢だったが、3年前に仮想通貨FXに出会う。
得意な英語を生かし、海外の取引所の情報や仮想通貨の最新トピックを日本に広めるべく、日々メディア運営を行う。
好きな食べ物はパッタイ。嫌いな食べ物はガトーショコラ。
FXGTで確定申告が必要な人は?
まず初めに、FXGTで取引を行う方々がどのような場合に確定申告が必要となるのかを見ていきましょう。
最も注目されるのは、「FXGTでどれほどの利益を得たら確定申告が必要になるのか?」という点です。
この基準は、給与所得者とその他の事業所得者や主婦などで異なり、大きく二つのグループに分けられます。
- 給与所得者:FXGTでの収益を含む1年間の雑所得の総額が20万円を超えた場合、確定申告が必要
- 事業所得者や主婦など:FXGTでの収益を含む1年間の雑所得の総額が48万円※以上の場合、確定申告が必要
事業所得者や主婦などに関して、2019年までは年間38万円を超える雑所得があれば確定申告が求められていました。しかし、2020年から基準は変更され、年間48万円を超える雑所得がある場合に確定申告が必要と改正されています。
サラリーマンなど給与所得者の場合、FXGTで得た利益を含めた年間の雑所得が20万円を超えた場合に確定申告が必要です。20万円以下であれば、通常、確定申告は必要ありません。
事業所得者、主婦、18歳以上の学生、フリーランスなどは、FXGTを含む年間の雑所得が48万円を超えると確定申告が必要になります。48万円以下であれば確定申告は不要です。
さらに、以下の状況では、FXGTでの取引利益の額に関わらず確定申告が必要となるため注意が必要です。
- 2か所以上の会社から給与を受け取っている人
- 不動産収入などの別の所得がある人
- 年収が2,000万円以上ある人
FXGTの税金の計算対象になる取引は?
次に、FXGTで行う取引がどのように税金の計算対象となるかを見ていきたいと思います。
FXGTでは、下記の銘柄が取引可能です。
- FX通貨ペア
- 仮想通貨
- シンセティック仮想通貨
- メタル
- エネルギー
- 株価指数
- GTi12指数
- 株式
- DeFiトークン
- NFT
FXGTでは数多くの銘柄が扱われていますが、上記の取引がすべて税金の計算に影響します。
ただし、取引を開始しただけでは計算対象外であり、「ポジションを決済して利益や損失が確定した取引」のみがFXGTの税務上の計算対象となります。
つまり、保有中のポジションは税金の計算には含まれません。
海外仮想通貨FXと国内仮想通貨FXの税金計算方法の違い
海外仮想通貨FXと国内仮想通貨FXでは、適用される税制が次のように異なります。
- FXGT・海外仮想通貨FX:累進課税(給与所得なども合算し課税される)
- 国内F仮想通貨X:申告分離課税(FXの利益は給与所得などと分けて課税される)
それぞれの税金計算の違いについて詳しく解説します。
FXGT・海外仮想通貨FXの所得税は累進課税
FXGTや海外仮想通貨FXからの利益は、総合課税(所得税と住民税の合計)で計算されます。
総合課税とは、仮想通貨FXの利益を雑所得として扱い、給与所得やその他の所得と一緒に合算して税金が課される制度です。
さらに、所得税には所得の額に応じて税率が上がる「累進課税」が適用されます。
累進課税の所得額ごとの税率・控除額
所得額 | 所得税率 | 住民税 | 復興特別所得税 | 控除額 |
---|---|---|---|---|
195万円以下 | 5% | 10% | 2.1% | 0円 |
195万円超〜330万円以下 | 10% | 10% | 2.1% | 9万7500円 |
330万円超〜695万円以下 | 20% | 10% | 2.1% | 42万7500円 |
695万円超〜900万円以下 | 23% | 10% | 2.1% | 63万6000円 |
900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 10% | 2.1% | 153万6000円 |
1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 10% | 2.1% | 279万6000円 |
4,000万円超〜 | 45% | 10% | 2.1% | 479万6000円 |
所得額によって所得税率が5%から最大45%まで変動し、FXGTでの利益が増加するにつれて税率も上昇します。
また、所得税の他に住民税(一律10%)や復興特別所得税(一律2.1%)も課されるため、全てを合計すると税率が55%を超えることもあります。
国内仮想通貨FXは申告分離課税(一律20%)
次に、国内仮想通貨FXの税金計算方法について説明します。
国内仮想通貨FXからの利益は「申告分離課税」を用いて計算されます。
申告分離課税は、仮想通貨FXの取引から得た利益を雑所得として、他の所得種類とは別に課税する制度です。
国内仮想通貨FXにおける税率は一律20.315%で、計算方法も非常にシンプルです。
国内仮想通貨FXの税金計算
- 所得税15%+地方税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%
申告分離課税では、所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%が加算され、合わせて20.315%の固定税率が適用されます。
多くの人が国内FXの申告分離課税を税制面で有利だと感じるかもしれませんが、海外仮想通貨FXでの総合課税は他の所得と合算されるため、一概に「どちらがより良いか」と断定することはできません。
海外仮想通貨FXと国内仮想通貨FXのどちらが税率的に有利かは、個々の状況に応じて検討する必要があります。
FXGTの税金計算の際に必要な書類
FXGTでの税金計算には、以下の2種類の書類が必要です。
- 年間取引明細書
- 必要経費を集計した書類および領収証など
年間取引明細書は、MT4/MT5から次の手順でダウンロードできます。
- MT4/MT5の「ツールボックス」を開き、「口座履歴」タブを選択
- 口座履歴画面で右クリックし、「期間指定」を選択
- 期間はその年の1月1日から12月31日と指定すると、年間の取引履歴が口座履歴に表示される
- 再度画面内で右クリックし、「レポート」を選択
- レポートはエクセルかHTML形式が選べ、好みの形式でダウンロードする
また、必要経費の集計には表計算ソフトやその他のアプリを使用してください。
購入時のレシートや領収証も必要ですので、日頃から保管しておくことが重要です。
FXGTにおける税金計算の手順
FXGTでの税金計算方法について見ていきます。
FXGTおよび他の海外FXで得た損益は雑所得として、総合課税または累進課税が適用されます。
課税対象となる所得には、FXGTでの損益だけでなく、給与所得などの他の所得も含まれますので、注意が必要です。
したがって、FXGTにおける税金計算で考慮される所得の総額は次の通りです。
FXGTでの税金計算の際に課税される所得金額
- 年間所得ー経費ー控除=課税される所得金額
給与所得やその他の所得にFXGTからの所得を加えた金額です。
たとえば、課税所得が450万円だった場合の所得税の計算は次のようになります。
例)所得金額が450万円の場合の所得税
所得の段階 | 対応する税率 | 所得税 |
---|---|---|
450万円のうち195万円以下 | 195万円に対して5% | 9万7,500円 |
450万円のうち195万円超〜330万円以下 | 135万円に対して10% | 13万5,000円 |
450万円のうち330万円超〜695万円以下 | 120万円に対して20% | 24万円 |
合計で472,500円が課税されます。
なお、控除額は個人によって異なるため、確定申告を行う際には注意が必要です。
FXGTの確定申告時の注意事項
FXGT・海外仮想通貨FXの確定申告時の注意項目について紹介します。
- FXGTのボーナスは課税対象外
- FXGTでは損益通算が行えない
FXGTのボーナス受取り時の取り扱いや損益通算の方法について解説します。
FXGTのボーナスは課税対象外
FXGTから受け取る口座開設ボーナスや入金ボーナスなどのボーナスは、税金の対象外です。
口座開設ボーナスや入金ボーナスは、課税される収益には計上しないようにしましょう。
一方、FXGTでは取引量に基づくキャッシュバックという形でボーナスキャンペーンも行っています。
このようなキャンペーンで得たキャッシュバックは出金できる現金であり、利益として計上する必要がありますので、この点には注意が必要です。
FXGTでは損益通算が行えない
FXGTおよび海外FXでは、異なる税制のため、国内FXにおける損益通算の利用ができません。
国内FXでは、損失が発生した年から3年間、その損失を次年度の利益と相殺することが認められている制度があります。
国内FXの損益通算制度に関して
取引年 | 損益 | 通算の損益 | 課税対象額 |
---|---|---|---|
取引開始年 | -100万円 | -100万円 | 0円 |
+1年 | +30万円 | -70万円 | 0円 |
+2年 | +60万円 | -10万円 | 0円 |
+3年 | +100万円 | +90万円 | 90万円 |
この制度では、発生した損失を最大3年間持ち越し、利益と相殺することが許可されています。
しかし、FXGTや他の海外仮想通貨FXでは、この損益通算制度が採用されておらず、損失を翌年に持ち越すことが認められていません。
さらに、同一年内に海外仮想通貨FXと国内仮想通貨FXで取引を行い、片方で利益が出てもう片方で損失が出た場合でも、両方を通算して相殺することはできませんので、注意が必要です。
FXGTでの節税テクニック
次に、FXGTや海外仮想通貨FXでの節税方法を見ていきます。
以下に挙げる3つの要素が、確定申告時に節税を実現するためのキーポイントです。
- FX取引に関連する費用の計上方法
- 総合課税で考慮すべき他の収入源
- 配偶者控除等の各種控除の活用
節税のポイントを詳しく解説していきます。
仮想通貨FX取引に関連する費用の計上方法
節税の基本的な方法としては、FXGTで取引し、収入を得るためにかかった必要経費を計上することです。
- EAやカスタムインジケーターの購入費
- FXの手法や教材、書籍の購入費
- FXセミナーの参加費や交通費
さらに、次のような費用についても、全てまたは一部が経費として扱われることがあります。
- 取引環境を整えるためのPC・モニター・周辺機器など
- 取引環境を整えるための机・椅子など
- 取引のためのインターネットの通信費
- 取引に使用している部屋の家賃や光熱費
- セミナー参加のために購入したスーツ代
- 他のトレーダーとの交際費
上記の品目を経費として申告することは、税金を抑える上で非常に重要です。
FXGTで取引を行い費用が発生した際には、領収書やレシートをしっかりと保存しておくことが必要です。
総合課税で考慮すべき他の収入源
FXGTや海外仮想通貨FXの取引から得られる収入は雑所得として総合課税の対象となり、他の総合課税の収入と合わせて課税所得が算出されます。
総合課税では10種類の収入が分類されますが、そのうち8種類が総合課税の対象です。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
参考:国税庁「総合課税制度」
FXGT以外の収入源がある場合、それぞれの分野の経費に注意を払うことで、さらに節税するチャンスが広がります。
配偶者控除等の各種控除の活用
所得控除には数多くの項目が存在し、確定申告時に控除をうまく使うことで節税が可能です。
所得控除には次のような種類があります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
これらの控除を経費の申告と同じく自己申告しなければ、節税へと繋げることは難しいです。
利用できる控除はできる限り活用して、税金を少なくしましょう。
FXGT 確定申告まとめ
今回は、FXGTにおける確定申告や税金に関する基本知識を確認しました。
給与所得者と事業所得者では、確定申告が必要となる条件が異なります。
- 給与所得者:FXGTを含む年間の雑所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要
- 事業所得者や主婦など:FXGTを含む年間の雑所得が48万円を超えた場合、確定申告が必要
確定申告を怠ると、追加で税金が課されることがありますので、必ず行いましょう。
一方、利益がない場合や所得が規定額以下であれば、確定申告の必要はありません。
FXGTの取引をこれから始める方は、確定申告についてあまり心配せず、積極的に挑戦してみることをおすすめします。
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